香港勇武派「帰って来れなくなるので遺書は書かない」



田中龍作ジャーナル
http://tanakaryusaku.jp/



2019年11月11日 13:23




 K(24歳)と出会ったのは元朗駅事件の抗議集会だった。1千人を超えるデモ隊が駅構内で座り込んでいた。

 田中が参加者にインタビューしていると「日本の方ですか?」と日本語で声をかけてきたのがKだった。彼女は日本での生活経験があるため、流暢な日本語を話す。

 「日本では香港のニュースがあまり出ていないので、日本人ジャーナリストを捕まえたかった」。彼女は後になって話してくれた

 Kはデモの際、最前列に立つ。勇武派だ。逮捕される確率が最も高い場所である。

 「きょう一緒にデモに参加した友人が、明日には消える」と表現した。

 Kは機動隊に追われ高速道路に飛び込んだこともある。ドライバーが車を止めてくれたため、命拾いした。

 なぜそこまで危険な目に遭ってまでデモに参加するのか?彼女に尋ねた。

 「妹(12歳)の将来を思って(デモに)出ている」。

  14歳15歳の少年少女が最前線に立っていることに触れ「私より若い人が(デモに)出ているので、大人として申し訳ない」。

 ちなみに全裸死体で海に浮かんだデモ隊の少女(15歳)はKの後輩だ。

 
 デモ仲間(男性・27歳)の遺書をKが語ってくれた。宛て先は両親だ。

 「育ててくれたご恩を返せなくて済みません。妹の幸せを願っています。僕は自殺しません」。

  Kは遺書を書かないそうだ。理由を尋ねた。

 「遺書を書くと帰って来られなくなるんじゃないかと思って・・・」。淡々とした口調の裏に悲壮感が漂っていた。
 
 田中はいつもボヤいているが、日本の選挙は投票率が低い。これについてもKに尋ねた。

 「私たち香港人は普通選挙を勝ち取るために死にもの狂いで戦っています。日本人は選挙を大事にしてほしい」。(敬称略)

    ~終わり~

     ◇
いったい何人が殺されているのか? 何人が行方不明になっているのか? 市民がいとも簡単に消される香港の現実を日本マスコミは報道しません。

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