エクステンディドの未来◆竹内康光【馬よ草原に向かって嘶け】


春のG1シリーズが終わった。牡馬クラシックロードの終着点の菊花賞と天皇賞(春)は、ともに京都の「超」長距離戦。「エクステンド」は「外に向けて引っ張る」を語源として、「延長」「拡張」といった訳。距離区分の「エクステンディド」は2701m以上のカテゴリーで、他に阪神大賞典とステイヤーズSがG2・ダイヤモンドSがG3。

国内のダート最長距離重賞は大井の金盃で、距離は二六で行われている。つまりダートには、「エクステンディド」カテゴリーの重賞・リステッドレースはない。一方で芝には重賞が5レースあり、他に万葉Sというオープン特別もある。日本ではJRAの芝オープンにだけ、孤塁を守るようにあるのがエクステンディドのカテゴリーなのだ。

南関東では距離の見直しがいち早く行われて、JRAで言えば菊花賞に当たるクラシック第三冠の東京王冠賞が1996年に二千に短縮された(1995年まで二六)。東京大賞典も1998年に二千に短縮されていて(1997年まで二八)、20世紀のうちに大レースは二千までの距離に改めてられている。

今年の天皇賞(春)は13頭立てでG1馬の出走は優勝したフィエールマンだけ、大阪杯の14頭立てでG1馬8頭という豪華さと較べるとどうしても見劣りする(宝塚記念は12頭立てで6頭)。大阪杯は上位4頭がいずれもG1馬だったように、能力検定レースとしても機能しており将来は種牡馬として馬産に寄与する馬たちが多いことになる。

一方で菊花賞や天皇賞(春)の勝ち馬は、種牡馬として苦難の道を歩むことが多い。テイエムオペラオー・ヒシミラクル・メイショウサムソン・メジロブライトは、競走馬としては超一流だったがGI勝ち馬を1頭も出せなかった。大レースを勝ちながら種牡馬にならなかった馬も、エクステンディドのカテゴリーには多い。

デルタブルース・マイネルキッツ・ジャガーメイル・ビートブラックは、種牡馬として登録されなかった(他ではイングランディーレが国内需要がなかったため韓国で種牡馬入りしている)。大阪杯がG1になり、ドバイ→香港という海外路線も定着した今では、天皇賞(春)は種牡馬選定レースとして機能していない。

それならばメルボルンCのようにハンデ戦にして、「春の祝祭」としての存在意義を模索してはどうだろうか。前出のデルタブルースはメルボルンCを56キロのハンデで勝っているが、ハナ差2着のポップロックは53キロだった。船橋のクイーンCはハンデ戦にして成功だったし、何より海外遠征馬にとっては魅力的な条件変更だろう。

◆竹内康光【馬よ草原に向かって嘶け】
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