阿吽の呼吸で吹かす解散風 菅とアベメディア



田中龍作ジャーナル
http://tanakaryusaku.jp/



 「野党が不信任案を出せば解散の大義となる」― 昨夜からマスコミを賑わしている。TVニュースを視聴してピンと来るものがあった。

 「野党が不信任案を出せば解散の大義となるか?」と質問したのはニコ生のA政治部長なのだ。田中の知人でもある。官邸のHPで確認したところ、声の主はやはりニコ生のA政治部長だった。

 菅官房長官は質問に間髪入れず「当然(解散の大義と)なる」と答えた。まさに阿吽の呼吸だった。

 自民党が野に下っていた頃、安倍総裁は随時ニコ生に出演し自説を展開していた。自らニコ生のスタジオに出かけることも珍しくなかった。

 
 新聞・テレビといったオールドメディアが支配する官邸の記者会見において、新規参入組のニコ生が別格の扱いを受ける背景である。


 あさって20日、GDP1~3月期の速報値が内閣府から発表される。

 思い出すのは、前々回(2014年12月)の総選挙だ ―
 
 2014年11月17日、内閣府が同年7~9月期のGDP速報値を発表した。

 アベ首相は翌18日、記者会見。速報値の発表を受け「成長軌道に戻っていない」「アベノミクスの成功を確かなものとするため」と理屈をつけて消費税増税の延期を明らかにした。

 それから3日後の11月21日、衆院を解散した。

 政党支持率(時事通信17日発表)で判断する限り、いま解散を打たれたら、野党は壊滅的な敗北を喫するだろう。

 野党第一党の立憲民主が3.7%、第2党の国民民主が0.6%という寒さだ。 

 あげくに選挙協力は、万全の体制とは程遠い。野党が会期末慣例のように内閣不信任案を提出したりすると、安倍首相の思うツボとなる。

 衆院は与党が引き続き3分の2を維持し、改憲は一気に現実味を帯びる。





◆青木義明【競馬一直線】
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