武豊騎手の今後◆沢田準の競馬を楽しく

先日グリーンチャンネルで武豊騎手4000勝達成記念の特別番組が放映された。武騎手と元プロ野球の投手で競馬ファンである山本昌氏との対談である。

この中で武騎手が、これまでの区切りの勝利数の時は特に意識はしなかったが、今回は初めて5000勝を考えたということだ。

そして今回の4000勝は中央だけのものだが、地方や外国でもかなり勝っているのでそれを含めれば5000勝もなんとか行けるのではないかという話だった。

中央競馬振興会刊行の「日本の競馬総合ハンドブック」の2018年版によると2017年までに外国での勝利は114勝と記録されている。

日本の地方競馬での勝ち数については私の手元には資料がないが、どこかのメディアで何勝しているのか教えて頂きたいものだ。

さてこの番組の最後のあたりで今後の武騎手に何を望むかというファンに対してのインタビューがあった。

凱旋門賞を勝ってほしい、60歳以上騎乗してほしい、外国人騎手に勝ってほしい、などの声が上がり、武幸四郎調教師からは武厩舎の馬で一緒に大きいレースを取れればというのもあって笑わせられた。

ファンの中では調教師になるのだからいい調教師になってほしいという声もあったが、一人だけだったから武騎手が調教師の道を目指すことはないことをファンは知っていたようである。

ところで「優駿」誌の1月号に面白い記事が掲載された。武豊騎手とフランスで免許を持っている小林智調教師の対談だ。

そして普段はインタビューされる側の武騎手が立場を変えてインタビューというわけだ。そしてこれがなかなか面白いのである。

この二人が以前からの知り合いということもあったにしても、インタビュアーとしての武騎手はなかなかの才能を持っているのではないか。そのように思われるインタビューだった。

そこで武騎手の将来にはこのような方向もあるのではないかと思ったのだ。つまりメディアである。

特にテレビの競馬中継だ。競馬中継の解説者は競馬評論家や競馬記者が主体だ。元騎手がテレビに出演するのは岡部元騎手や安藤元騎手などだがいずれもゲストとしてだ。

元騎手では現在は細江純子さんが定期的に出演しているがいわば元女性騎手枠といえる。

元騎手が定期的にテレビ中継に出ているとなるとあまりに古い話でなるほどと思うファンは少ないだろうが、ナベショウこと渡辺正人元騎手が思い出される。東京12チャンネル(現在のテレビ東京)だった。

武豊騎手ならテレビはもちろん他のメディアでも充分に活躍できるのではないだろうか。

もちろん本人はまだまだ乗り続けると笑うだろうが。




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