新潟記念◆沢田準の競馬を楽しく

新潟記念は3歳馬ブラストワンピースが勝った。3歳馬の勝利は1983年のアップセッター以来で35年ぶりということだ。

もっともそれも当然だろう。新潟記念に3歳馬が出走することは非常に少ない。この10年間でわずか6頭に過ぎないのだ。

菊花賞を狙う3歳馬がステップとして使うのはほぼセントライト記念か神戸新聞杯と決まっている。

同じ3歳馬と戦うのは当然であり、それ以外のレースを使うなどとはほとんど考えることもなかったといえる。

ところがブラストワンピースは新潟記念を選択した。ブラストワンピースはただの3歳馬ではない。4戦3勝、毎日杯を勝ちダービーで5着。

菊花賞の有力候補の1頭である。このような馬が新潟記念に出走したのは全く異例のことだった。

しかし新潟記念は古馬の重賞といってもローカルのハンデ戦のG3だ。出走メンバーのレベルは高くない。もちろん重賞の勝馬はいるが今年は強豪といえるのはセダブリランテス位だ。

そのセダブリランテスは8カ月の休養明けで万全ではない。そしてハンデは54キロにとどまった。54キロは定量であり古馬との比較ではむしろ恵まれたハンデといえる。

そしてブラストワンピースは単勝180円という断然人気となり、後方追走という流れで心配させたが直線大外一気で快勝したのである。

クラシックなどの主要レースはトライアルの名を冠したステップレースが設けられている。皐月賞トライアルの弥生賞、スプリングステークスが代表であり、セントライト記念と神戸新聞杯も同様である。

ところが近年はそれぞれのトライアルを使わずに主要レースを勝つ馬が目立ってきた。

皐月賞は二つのトライアルより共同通信杯をステップとした馬が優勢である。また今年の桜花賞馬アーモンドアイはシンザン記念から直行した。

今後はブラストワンピースのようにトライアルではないレースを選択する馬が増加するのではないだろうか。




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