グレード◆沢田準の競馬を楽しく

◆沢田準【競馬を楽しく】
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JRAでは桜花賞、皐月賞が終わりクラシックシーズンに突入し、アメリカやユーロッパ各国でもクラシックのプレップレースが行われている。

広いアメリカではケンタッキーダービーのプレップレースが各地で行われる。

フロリダのガルフストリームパークではフロリダダービー、カリフォルニアのサンタアニタではサンタアニタダービー、ニューヨークのアケダクトではウッドメモリアルS、ケンタッキーのキーンランドではブルーグラスSといったところが主なものだ。

いずれも総賞金は100万ドルと高い。グレードは当然G1のはずだ。ところがウッドメモリアルとブルーグラスはG2なのであり違和感が大きい。

以前はこの両レースともG2だった。1999年からブルーグラスがG1に格上がった。総賞金は75万ドル。ウッドメモリアルは1999年では60万ドルだったが2000年に75万ドルに上がった。

2002年にウッドメモリアルもG1とブルーグラスとはグレードも賞金も同格となった。これは2010年まで続いたが2011年にはウッドメモリアルが100万ドルと先行した。

そして2015年にはブルーグラスも総賞金は100万ドルと再び並んだのである。ところが2017年にこの両レースともG2に格下げとなってしまったのだ。

2017年ではウッドメモリアルは総賞金を75万ドルに下げたが2018年では100万ドルに戻った。ブルーグラスは100万ドルを維持している。

この両レースが2017年に格が下がったのは出走馬のレベルが下がりG1というグレードを維持できなくなったためだ。

しかし賞金が維持されているのは主催者がケンタッキーダービーの前哨戦というレースの意味や立場を変えないという意思の表れだろう。

レースのグレードは日本ではレースの重要さを表し、さらには馬券を売る広告塔として理解されている。しかし外国ではセリにおける馬の価値の指標として使われる。

グループやグレードの高いレースを勝った馬、近親に勝った馬が多くいる馬はセリで高い値段がつけられる。

従って高いGがつけられたレースの馬のレベルが低くなったとしたら、セリの価値が落ちてしまう。そこでレースのGを下げなくてはならない。

競馬にとってはレースよりセリのほうが重要ということである。



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