ジャパンカップ◆沢田準の競馬を楽しく

今年のジャパンカップ、外国招待馬は4頭、近年の平均的な出走頭数であり、かつてのように多くの外国馬が参戦した当時を知る者にとっては寂しい限りだが、外国馬の不振が続いており仕方ないのである。

外国馬が最後に勝ったのは2005年のアルカセット。以後5着以内に入ったのはその2005年5着、翌2006年3着と2年続けて好走のウィジャボードが目立つ程度で、2009年4着のコンデュイット、2013年5着のドゥーナデンだけでしかない。

さて今年の4頭の外国馬はドイツからイキートスとギニョールがやって来た。一昨年にナイトフラワーとイトウ、昨年もイキートスとナイトフラワーが来ている。

ドイツ馬はかつて1995年にランドが勝ったことがあるが、近年では2011年にデインドリームが6着、2014年にアイヴァンホウも6着と案外検討しているので、ジャパンカップは狙い目と認識されているのかもしれない。

イキートスは昨年バーデン大賞、今年ダルマイヤー大賞とG1を勝ち昨年のジャパンカップは7着とまずまずの走りで、今年は凱旋門賞に出走し7着とこれもまずまずだ。

これまでジャパンカップと凱旋門賞以外はドイツで走り、今年のバーデン大賞とバイエルン大賞とドイツの主要レースで2着と、ドイツの一流馬であることは間違いない。

一方ギニョールは昨年と今年のバイエルン大賞を連勝、今年はバーデン大賞も勝っており、その実績はイキートスを上回るといってもよくやはりドイツを代表する。

一方オーストラリアから久しぶりに参戦したのがブームタイムである。デビュー以来オーストラリアで走り、最近ようやく重賞でも好走するようになったが、G1は人気薄の軽ハンデでコーフィールドカップを勝っただけで、メルボルンカップは53キロで15着と敗れておりあまり期待できそうではなかった。

あと一頭が世界のトップトレーナーのエイダン・オブライエン調教師が送り込んできたのがアイダホだ。G1は未勝利だが英ダービーを3着、愛ダービーは2着と3歳時にトップクラスの成績を上げ、今年はG2のハードウィックSを勝ち、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス3着と実績は一流馬といえる。

父がガリレオでハイランドリールの弟という血統も素晴らしく、ジャパンカップで好走してもおかしくない馬といえるが、レース前の評価は全く低かったのである。

外国馬は4頭とも全く人気がなく、単勝はギニョールが71倍、アイダホが101倍、イキートスが122倍、ブームタイムに至っては322倍だった。

そしてレースは。アイダホは14番枠からスタートし終始後方を追走、4コーナーは大外を回り最外を徐々に追い込みマカヒキにクビ差の5着に入戦したのである。

上位3頭からは4馬身離れており5着とはいっても完敗には違いはないが、単勝101倍の馬にしては好走といえるだろう。

ジャパンカップで外国馬が勝つ、好走することは現在ではほとんど不可能と考えられ、外国でも有力馬を日本よりも香港に送るようになってきた。

しかし今年のジャパンカップの結果を見ると、それなりの有力馬なら再び好走することもできるのではないかと考えるようになってきた。

JRAも外国馬を勧誘するに際し、今年の結果から外国馬でも好走できることを説明してもらいたいと思う。




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