【沢田康文の欧州リポート】凱旋門賞10着ザラック4歳で種牡馬の道



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 母子制覇を狙った凱旋門賞で10着に敗れたザラック(父ドバウィ、牡4)の現役引退が決まった。2008年の凱旋門賞を無敗で制したザルカヴァの4番子という良血馬。今後はオーナーブリーダーのアガ・カーン4世殿下が所有する生まれ故郷のボネヴァル牧場で種牡馬となる。3歳時はジョッキークラブ賞(仏ダービー)でアルマンゾルの2着などクラシック路線で活躍。古馬となってさらに飛躍を遂げ、今年7月2日のサンクルー大賞で念願のGI初制覇を飾っていた。

 結果的に内枠の馬が上位を独占した今年の凱旋門賞は大外(18)番枠となる不運。A・ドゥロワイエデュプレ調教師は状態の良さに自信をにじませていたが、後方のままの競馬となってしまった。陣営は来週行われる英チャンピオンSの出走も検討したが、血統的価値を考えて引き際を決断した。母ザルカヴァの産駒では半兄で未出走のザルカル(父ガリレオ)がアルゼンチンで種牡馬となったが、今年わずか5歳で早世している。「ターフを舞うバレリーナ」と呼ばれた20世紀のフランスを代表する伝説的名牝プチトエトワールの血を引く貴重な血統でもあり、特別な使命を帯びての種牡馬入りとなる。 (在仏競馬記者)