「勝つためには‘順番’が必要!?」◆小島友実◆【ターフ便り】第31回

 アメリカ大統領選挙が終了し、共和党のドナルド・トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン氏を破り、次期大統領になる事が決まりしたね。

 正直、私もびっくりしましたし、世界中で番狂わせと言われている今回の選挙結果ですが、日本のジャーナリストの中で木村太郎氏が、ずっと「トランプ候補が勝つ」と言い続け、その通りの結果になった事が注目を集めています。

 その木村太郎さんがニュース解説の中で、なぜトランプ氏が勝てたと思うかを聞かれて答えた回答が、

「一言で言うと、‘順番’ですね。最近のアメリカでは、ロナルド・レーガンとジョージ・ブッシュの時は共和党が続いたけど、それ以降は、民主党⇒共和党⇒民主党と来ている。そう考えると今回は共和党のトランプ氏が勝つ順番だった。こうして競い合えるのが2大政党の良いところ。国民も新しさを求めている」

 私はこの答えを聞いて、あまりにも簡潔で核心を突いている内容だなと、妙に納得できました。

 政策や人柄が今回の選挙に影響した事はもちろんですが(ここでは多くを語りません)、オバマ政権で結果が出なかったと判断した人達が、今回は共和党に期待してみようと考えるのは自然な流れだったと思います。
 
 毎週、競馬をやっていると、こういう‘勝つ順番’を感じる事があります。

 先週も連勝で来ていたルメール騎手がメインのアルゼンチン共和国杯で勝てなかったり(モンドインテロ4着)、今年の夏も札幌で騎乗機会7連勝をしていたモレイラ騎手がこれまたメインのキーンランドカップで惜しい結果に終わったり(シュウジで2着)。
皆が勝てるか!?と注目してしまうと連勝が止まってしまうケースはよくある事なのです。

 ここで、例えば先週なら、「ルメール騎手はさすがに勝ち過ぎ。メインは負けるかもしれない」と考えて、アルゼンチン共和国杯で他の馬を頭に勝って馬券をとれるような人は、いわゆるギャンブルの才能がある人なのでしょうね(私はアルゼンチン共和国杯、はずしました…)。


 現にジョッキーがG1レースを連勝する事はなかなか難しいですし、よほどの一流馬に巡り合えない限り、一人の騎手が年間にG1を複数回勝つ事は困難である事は過去の歴史が証明しています。

 ちなみに今年、複数回、G1レースを勝っているのは、デムーロ騎手(3勝)、ルメール騎手(2勝)、蛯名騎手(2勝)、福永騎手(2勝)の4名。

 戸崎騎手、武豊騎手、川田騎手、池添騎手、田辺騎手、ムーア騎手がそれぞれ、G1を1勝マークしています。


 さて、今週のエリザベス女王杯は誰が勝つでしょうね。
今回、勝つ順番なのはどの騎手だろう?こういう視点を持って、G1を予想するのは、競馬という特性を含んで考えると、意外に大事な要素の一つなのかなと思います。


◆小島友実◆ 【ターフ便り】
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