ニシノミチシルベにリーチザクラウンを配合◆青木義明の競馬一直線



小生の配合馬の1頭ニシノミチシルベが競走生活に別れを告げる。そして、この春は西山茂行オーナーの判断で所有する種牡馬リーチザクラウンと交配されることになった。

ニシノミチシルベ(2011、父タイキシャトル、母ニシノミライ、その母は桜花賞馬ニシノフラワー)は2013年9月の中山マイルの新馬デビュー戦を快勝、さらに11月のアルテミスS3着、翌年3月のアネモネS2着と頑張り、4月の桜花賞に西山牧場としては8年ぶりの出走を成し遂げた。12着と勝ち負けには至らなかったが、その経緯からこの馬の前渡に大きな可能性を抱かせた。

しかし、その後は故障や鼻出血などに見舞われ、古馬になって成長力を発揮できないまま先般のレースを最後に引退となった。本質的にはマイル~2000に適性があったとみていたが、牝馬らしく腹袋の薄い体型のままだったことが惜しまれる。

さて、今年から2歳馬をデビューさせる新種牡馬リーチザクラウン(父スペシャルウィーク)との配合はなかなかにまとまっている。

5代までのクロスはヘイロー4×4に、ニジンスキー5×5.

リーチザクラウンと同じくスペシャルウィークを父に持つ名牝ブエナビスタはその母ビワハイジがカーリアンの娘であることから「底力に富むニジンスキー4×3」のクロスでジャパンCをも制したが、ニシノミチシルベの父タイキシャトルの母の父もカーリアンであり、ここから「ニジンスキー5×5」のクロスが派生する。米国血脈の濃いニジンスキーのクロスは例えば名種牡馬タピットにもクロスされていて、とりわけ底力とタフさの寄与に貢献する血脈だ。

ニシノミチシルベとリーチザクラウンとの配合では他にヘイロー4×4、その父ヘイルトゥリーズン4本継続が派生するので腹袋の薄さをこの側面からもフォローするだろうし、父の母系に内包されるボールドルーラーの息子で米三冠馬セクレタリアト(1970)とその全姉ザブレイド(1969)の5×6の同血馬クロスも派生する。そして大柄だったボールドルーラーを計4本継続する点が好ましい。

ただ、ニシノミチシルベはリボーやアンビオリックスやグレイソヴリン、あるいはフェアトライアルなどのクロスも内包するので、これを継続できる相手も試してみたいところだ。しかし、こうした異系の血脈を取り込めることはリーチザクラウンにとっては大変に好ましい相手牝馬となり、配合としては十分に合格点が付けられる。

無事の受胎と来春の出産、そしてその後のデビューを心待ちにしたいと思う。



◆青木義明の競馬一直線
http://bit.ly/1F3tlL6

◇競馬通信社◇
http://ktsn.jp