担当役人ひとりクビ…「新国立」誰も責任を取らないデタラメ



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2015年7月29日(水)15時52分配信 日刊ゲンダイ



 まさに、トカゲのしっぽ切りだ。巨額な工費により建設計画が白紙となった新国立競技場問題。文科省は28日、整備計画を担当していた久保公人スポーツ・青少年局長(58)が辞職すると発表した。

 久保氏は定年まで1年半以上残しており、新国立を巡る問題を受けた事実上の更迭だ。後任には高橋道和・内閣官房教育再生実行会議担当室長を起用するという。

 安倍政権としては、これで事態の幕引きを図りたいところだが、そんなことが許されるのか。

「役人ひとりに責任をなすりつけるのは、本当にひどい話です。一番悪いのは、無計画に工事を発注したJSC(日本スポーツ振興センター)。トップの河野一郎理事長は辞任すべきです。2番目はデザインを採用した建築家の安藤忠雄氏。コスト面について把握していなかったのは、建築家としてあり得ない。3番目は東京五輪組織委員会の森喜朗会長。『オレが、オレが』といろんなところにしゃしゃり出てきて事態を一層混乱させました」(建築ジャーナリスト)

 下村博文文科相は会見で、久保氏の辞職について「後進に道を譲るため」と話したが、まるで他人事だ。早くから工費の問題が指摘されていたにもかかわらず、問題を先延ばしにし、世論の反発が高まってから、ようやく計画白紙を決めたのは誰なのか。安倍首相や下村大臣にも当然、責任はある。役人ひとりの“クビ”だけでは収まらない問題だ。

「新国立の問題は、現在交渉が大詰めを迎えているTPPにも“飛び火”しています。国際コンペで決まったのを白紙に戻したことで、日本は世界との“契約”を破った形になった。仮にTPPに合意した場合、『日本はきちんと約束を守れるのか』と世界が疑っています。TPP交渉で他国から足元を見られても仕方がありません」(経済誌記者)

 このままトップが居座り続ければ、日本はますます世界から取り残されていくだけだ。





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