【香港発】唯一民意を反映できる区議選 軽装のプロテスターはインキが渇くまで待って投票した



田中龍作ジャーナル
http://tanakaryusaku.jp/



2019年11月24日 21:19



 6ヵ月続く反政府デモと中国による弾圧を市民がどう受け止めているのかを問う、香港区議会議員選挙の投票がきょう24日、あった。

 香港区議会選挙は日本の統一地方選挙にあたる。香港全土18の選挙区に1090人が立候補、452議席を争う。

 有権者の関心は極めて高い。田中は8つの投票所を見て回ったが、過疎地や街はずれを除けば、どこも長蛇の列だった。

 投票率は午後4時30分現在で52.14%。投票は午後10時30分まで可能なことから、投票率が70%を超えることは、ほぼ確実だ。日本の選挙とは別世界である。

 区議会選挙は唯一、民意を反映できる仕組みになっており親中派が議席を減らす恐れがある。このため政府トップがデモの激化を口実に選挙の延期をほのめかしていた。

 民主派やプロテスターたちは、選挙延期の口実を政府に与えないようにするため、息をひそめるようにして投票日を待った。「黒服は着用するな」「マスクはするな」・・・SNSなどで声を掛け合った。

 九龍城の小学校に設けられた投票所に足を運んだ20代のカップルは、プロテスターだった。

 「意識的にカジュアルな恰好で来た」という2人は絵に描いたような軽装だった。男性はグレーの半ズボンに白いTシャツ。女性は渋い柿色の半ズボンに白のTシャツ。

 男性は「選挙は声をあげるには一番安全で自由な手段」と選挙の有難さを語った。日本人に聞かせたいような言葉だった。

 出口調査にあたる主な組織「香港研究會」は、親中機関だ。

 2人は出口調査に対して「建制(親中)派に入れた」と答えた。理由は「親中派を少しでも油断させたいから」。

 田中が「民主派に入れたことが分かると身が危険になるからか?」と問うと、男性は身振り手振りを交え「今のところは心配ない」「今のところはね」と繰り返した。

 投票方式は意中の候補者の顔写真の横にスタンプを押す。2人はスタンプのインキが乾くまで投票用紙を投票箱に入れなかった。


 中国移民と古くからの住民が混在する沙田の投票所前で、親中派候補者を応援する女性たちの姿があった。

 分かりやすい大陸訛りが、中国からの移民者であることを示していた。「繁栄を考えて投票した。ゴキブリは怖い」と判で押したように答えた。ゴキブリとは警察がデモ隊を揶揄する時に使う言葉だ。

 中国を支持するのか。自由を守るために戦う民主勢力を支持するのか。香港を二分する区議会議員選挙の大勢は25日未明に判明する。改選前は親中派308議席、民主派107議席。(民間の選挙データベースより)

   ~終わり~

    ◇
普通選挙を勝ち取るために若者が命を捨てて戦っています。相手は人権など屁とも思わない巨龍・中国です。

香港の現実を伝えるために、前回の大赤字を抱えたまま取材を続けております。ご支援何とぞ宜しくお願い申し上げます。




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【香港発】理工大学 中高生も警察に包囲されていた



田中龍作ジャーナル
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 大学だけが戦場ではなかった。香港の代表的観光地である尖沙咀(チムシャツォイ)では、18日深夜から19日未明にかけて、火炎ビンと催涙弾が飛び交った。

 警察は理工大学を包囲して催涙弾を雨あられのごとく撃ち込み、あげくに多数の学生を逮捕した。

 尖沙咀は理工大学にほど近いことから警察の暴力に抗議するデモ隊が集結したのである。

 参加していた17歳の女の子は「中高生がまだキャンパスの中に閉じ込められている。私の友達もいる」と田中に明かした。


 火炎ビンの燃料となるガソリンは、デモに好意的な市民が提供していた。現場を通りがかったドライバーが自分の車からガソリンを抜き取らせているのだ。

 市民がロジを担っているのである。供給は無限に続くことになる。市街戦に持ち込めばデモ隊は威力を発揮する。

 中国人民解放軍が香港市民を皆殺しにしない限り、この戦争は永遠に続く。



 ~終わり~

   ◇
香港の自由を守るために、将来ある若者たちが命を捨てて巨龍と戦っています。

彼らの姿を世界に伝えなければなりません。

前回の大赤字を抱えての取材行です。ご支援何とぞ宜しくお願い申し上げます。




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「山本太郎現象」ではなかった かつての自民党さながら、れいわの強さ支えるポスター
貼り



田中龍作ジャーナル
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2019年11月17日 00:47



 れいわの強さはキメ細かで地道で豊富な運動にあった。それは中選挙区制の頃の自民党
を彷彿とさせる。「山本太郎現象」などという言葉でくくれる上っ面の流行ではないのだ。

 れいわの東北6県遊説ツアー。最終日のきょうは福島県郡山市を訪れた。世間の耳目は
山本太郎の演説に注がれがちだが、田中はポスター貼りに圧倒された。

 事務所のスタッフと地元ボランティアが住宅地図を手に一軒一軒回って歩き、ポスター
を貼らせてもらうのだ。

 闇雲に歩くのではない。地元ボランティアが「この辺は●●で、この辺は■■」などと
いった情報を事務所スタッフにインプットしてゆく。貼らせてくれた家は住宅地図に印を
つける。

 ポスターは候補者がその選挙区にどれだけ浸透しているかのバロメーターだ。


 下地作りは次の選挙で効果を発揮する。山本太郎事務所のスタッフとボランティアは全
国各地で、こうしたポスター貼りを展開しているのだ。

 「運動量の分だけ票になる」。かつて自民党幹事長として選挙を仕切った小沢一郎の薫
陶だろう。

 ここから先は れいわ の選挙戦術の手の裡を明かすことになるので言えない。
 
 消費税減税に後ろ向きの某野党は、ポスター貼りもチラシのポスティングも連合頼み
だ。 れいわ とどちらが民の声に耳を傾けているか。あらためて言うまでもないだろう。

 今月10日にあった神奈川県海老名市議会議員選挙(定数22議席)で「れいわスタイル」の
選挙戦を展開した候補者の吉田みな子は、3位当選を果たした。

 経団連にも経団連労働部の連合にも頼らない選挙は、地方から実を結びつつある。(敬
称略)


     ~終わり~




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「桜を見る会」首相、虚偽答弁 安倍事務所が招待者とりまとめ



田中龍作ジャーナル
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2019年11月14日 00:31


 「私は主催者としてあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめなどには関与していない」。

 安倍首相は8日の参院予算委員会で田村智子議員(共産党)の質問に対してこう答えていたが、虚偽答弁であることが明らかになった。13日の野党合同ヒアリングで野党議員が内閣官房から引き出した。

 野党議員が「安倍事務所からの推薦もあったということでよろしいんですね?」と質問すると、内閣官房の中井亨参事官は「安倍事務所に最終確認して推薦を頂いている」と答えた。

 ヒアリング会場の衆院第16控室にどよめきが起きた。


 安倍首相のウソはこればかりではなかった。

 安倍首相の後援会は、会場の新宿御苑が開門する前に入場し、安倍首相と記念撮影する。開門時間は8時半。記念撮影は毎年8時前であることも明らかになっている。

 内閣府の大塚幸寛官房長によれば、桜を見る会の開催時間は、8時30分から10時30分の間だ。(8日参院予算委員会での答弁)

 田村議員が「公的行事ではなく後援会活動そのものではないか?」と質問すると、安倍首相は「招待者の入場時刻についてはセキュリティに関わることなのでお答えは差し控える」と答弁していた。(8日、参院予算委員会)

 ところがセキュリティは極めてズサンであることが、13日の対政府ヒアリングで明らかになった。

 杉尾秀哉議員(立憲民主)が「ネット転売で(招待状を)購入した人がそのまま入れる(入場できる)ということを認めますね?」と質問した。

 内閣官房の酒田元洋参事官は「もし悪意を持った人がいれば、完全にストップ、100%排除することはできない」と答えた。

 恐ろしい話だ。主管の内閣府がテロリストや反社会勢力の入場を防ぐことはできないと答えているのである。

 桜を見る会には皇族や各国の大使が出席しているにもかかわらず、セキュリティは大甘なのだ。

 安倍首相が逃げの口実に使うセキュリティはすでに無きに等しいのである。

 ひと昔前だったら、どうあがいても逃げきれない事態だ。「首相辞任」の活字が躍らないのが不思議だ。





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